9308 乾汽船(株)

チェック銘柄
ジンベエ
ジンベエ

21年11月の大幅な増益増配予想により高配当銘柄の仲間入りとなりました

海運事業が主、倉庫や不動産業も行う企業グループで19年3月期よりアクティブファンドが主要株主となっています

  時 点    株 価    1株配当   配当利回り 
21年12月3日2,245円157.00円6.99%
                    ※ 最新データ参照:Yahoo!ファイナンス

セグメント別の事業概要

2014年に乾汽船(株)とイヌイ倉庫(株)が経営統合し発足
海運事業、特にばら積み船が主力で北米などから穀物や木材等の海上輸送を行っている
「資産の力を事業の力に」「カイゼンは宝」「らしさの追求」を経営の基本方針としています

  1. 外航海運 事業
    • 不定期航路事業、船舶貸渡業 など
      穀物、石炭、材木、セメントなど多岐に亘る貨物輸送を実施
  2. 不動産 事業
    • 施設賃貸
      勝どき・月島エリアを中心に展開
  3. 倉庫・運送 事業
    • 倉庫、荷役、荷物運送 など
      主に首都圏において、倉庫、配送サービスを提案
Memo

・主力事業は全体の約55%、適度な事業分散がなされている
不動産事業は長期安定、倉庫運送事業は微減傾向

業績推移 (利益を稼ぐ能力)

Memo

売上は19年3月期をピークに減少傾向であったが、22年3月期は急回復予想
営業利益は赤転黒転を繰り返していたが22年3月期は急回復予想
営業利益率は-20%~10%程度を行ったり来たりしていたが、22年3月期は急改善
・22年3月期予想(21年11月時点)
 売上 350億円、営業利105億円、営業利益率 29.9%

配当方針 及び 配当推移

有価証券報告書「配当政策」抜粋 (21/3月期)

・業績に応じた配当を基本としつつ、業績にかかわらない一定水準の配当を安定的に維持する配当政策
[判断基準]
 - 連結当期純利益 5億円以下 年間6円
 - 連結当期純利益 5億円超15億円以下 配当性向30%
 - 連結当期純利益 15億円超 15億円×30%+15億円超部分×50%

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数
Memo

一株当たり配当金は直近10年間2度減配あり
・連結当期純利益に応じた配当方針通りに配当を実施
赤字でも一株当たり6円の配当を支払うことを外部公表資料に明記

ジンベエ
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最低配当金が明記されており無配リスクが限りなくゼロに近いのはありがたいが
ベース指標であろう判断基準2行目( 連結当期純利益 5億円超15億円以下 配当性向30% )の水準に該当する利益を計上した期が直近少ないことから、
現在の経営環境と配当金の支払基準があっていない可能性がありそうです

安全性 (資金がショートしないこと)

Memo

手元現金減少傾向
自己資本比率減少傾向であるものの30%以上はキープ

営業CF推移 (Cashを稼ぐ能力)

Memo

営業CFは直近9期で1期赤字あり
・投資CFはむらがあるものの、50億円程度の投資を行っている

ジンベエ
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16年3月期の投資CFの増加は賃貸物流施設の売却、
17年3月期の投資CFの増加は投資有価証券の売却でした

その他 (本銘柄固有のあれこれ)

20年8月に公表した「中期経営計画」では23年3月期営業利益20億円と計画していました
21年11月時点、22年3月期の営業利益予測は105億円と大幅に前倒ししています

このことから海運業の業績は外部環境に大きく影響を受け予測しずらいことがわかります

株主構成は19年3月期よりアルファレオホールディングス合同会社というファンドが筆頭株主となり31.3%もの株式を保有し、臨時株主総会の招集許可申し立てなど色々とアクティブに活動しています

調べた限りでは、乾汽船は「保有不動産の時価>乾汽船の時価」という状況にあり、
乾汽船を買収後、保有する不動産を売却することで利益を得ようとしているのではないか?
とのことです(参照:「Business Journal」)

まとめ

まとめ

・主力事業は売上全体の55%程度であり、適度な事業分散がなされている
・22年3月期は売上、利益ともに急回復
・連結当期純利益額をベースにした配当政策を採用
・手元現金、自己資本比率はともに減少傾向
・営業CFは直近9期で1期赤字
・アクティブファンドが30%超の主要株主となっており支配権は不安定な状況

業績が読みにくく、
支配権は不安定、
22年3月期がたまたま好業績であった可能性もあることより、
高配当利回りであるものの安易に購入するのは危険(株価下落、減配)な銘柄といえそうです

一方、海運業の好業績が続く可能性、
アクティブファンドの影響が会社成長にプラスに働く可能性を期待する逆張り的な発想の方にとっては面白い銘柄かもしれません

ジンベエ
ジンベエ

購入後長期的に放置したい考えのため、
業績及び支配権が不安定な銘柄の購入は控えようと判断しました

投資は自己責任・自己判断でお願いします

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