8103 明和産業(株) 銘柄分析

チェック銘柄
ジンベエ
ジンベエ

21年8月31日に一株配当を15円→115円に大幅増配する発表を行いました
発表時の配当利回りは24%と超高配当となっていましたので分析することにしました

セグメント別の事業概要

  1. 第一事業
    • 資源(レアアースなど)、環境ビジネス、樹脂、医薬関連開発など
  2. 第二事業
    • 石油製品事業、石油ビジネス開発事業
  3. 第三事業
    • 高機能素材事業(化学品原料、合成樹脂製品など)、機能建材事業
  4. 自動車・電池材料
    • 自動車事業、電池材料事業
  5. その他
    • 硝子製品事業など
Memo

・事業内容、取扱商品の特長及び市場の類似性等を軸にセグメントを設定
・第一、第三事業の売上減少が要因となり全社ベースでも減少傾向

業績推移 (利益を稼ぐ能力)

Memo

・営業利益率は1~2%程度と薄利多売のビジネスモデル
・売上が増減しても営業利益率、営業利益が大きく変動しないことから、変動費の割合が高いビジネスモデルであると考えられる

配当方針 及び 配当推移

有価証券報告書「配当政策」抜粋  (21/3月期)

・健全性を維持しつつ、連結配当性向50%を基本として機動的な株主還元を行う

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数
Memo

・20/3期より配当金が大きく増減している
・「連結配当性向50%を基本」という配当政策を掲げていることから、大きく逸脱する22/3期の配当は記念配当という発表はないものの、一過性の配当と思われる

ジンベエ
ジンベエ

22/3期の増配予想は22年4月に予定されている東証市場変更の流通時価総額要件をクリアするための戦略的な配当である可能性が高いと考えます*
一方で、既存株主の視点で考えると、プライム維持や増配はメリットが大きいため、株主を考えた経営を行っているという考えもできるなと思いました
*配当利回り上昇→株価上昇→時価総額上昇

安全性 (資金がショートしないこと)

Memo

・現金及び自己資本比率ともに右肩上がり
・平常時のCashが潤沢であったため、プライム市場維持のための増配戦略を実行できた

営業CF推移 (Cashを稼ぐ能力)

営業CF配当還元率=配当支払い額÷営業CF
Memo

18.3期、19.3期は営業CFが赤字
・営業CFが赤字であっても配当を維持していることから、一定程度の最低配当は今後も期待
・売上は比較的安定しているなかで営業CFの増減は激しいことより、投資や財務の Cash ニーズにあわせたCFコントロールを行えていると思われる

その他 (本銘柄固有のあれこれ)

GHQの指令により解散した旧三菱商事の化工品部門の社員により設立された経緯より三菱商事が33%程度を保有、現職取締役8名のうち、社長含め4名が三菱商事出身
良くも悪くも三菱商事の影響力を強く受ける会社といえる

セグメント区分はメッセージ性が伝わりにくかったが、「中期経営計画2022」によると、『モビリティ(CASE、車載電池)』『環境(エネルギー効率、リユース・リサイクル)』『生活(建材ビジネス、新素材)』に注力するとのこと
脱炭素領域(環境)も含まれるため、低炭素化社会での成長に期待

売上高に占める中国の比率は年々高まり現在は約30%程度
中国の成長を今後も取り込むことができるのか、それとも近年顕在化しつつある中国固有のリスクの影響を受けて減少してしまうのかが今後の成長のカギを握っている

まとめ

まとめ

・全社ベース、セグメント別、いずれも業績は横ばい
・取り扱い商材が多岐にわたる薄利多売ビジネス、営業利益率は1%程度と低い
・1株配当115円は一過性の可能性が高く、23/3以降は連結配当性向50%程度になると予想(10~20円くらい?)
・三菱商事との関係が強いことから、長期的に経営は安定し、配当も安定すると思われる

極端な増配発表は賛否両論ありそうですが、
個人的にはプライム市場維持のための企業価値向上の手段として、効果的な投資対象が他にないのであれば即効性があり株主利益に直結するため、経営者の判断に賛成です

資金をため込んで市場落ちする、中途半端な増配発表を行ってどっちつかずの結果に終わるよりは勇気のある判断だと思いました

一方、長期保有を前提としている場合は平常時の配当金を想定して高配当と思う水準の株価(300~500円?)で取得し、今回のようなプラスのサプライズを享受する戦略をおすすめします

ジンベエ
ジンベエ

2021年9月時点、保有は見送りました
投資は自己責任・自己判断でお願いします

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