9101 日本郵船(株) 銘柄分析

チェック銘柄
ジンベエ
ジンベエ

20/3~22/3と3期連続で大幅な増配を発表している銘柄です
配当金は「19/3期20円」から「22/3期700円」と3年で35倍となりました

  時 点    株 価    1株配当   配当利回り 
21年9月22日10,170円700.00円6.88%

セグメント別の事業概要

  1. 不定期専用船
    • 外航貨物海運業、船舶貸渡業、運送代理店業
  2. 物流
    • 倉庫業、貨物運送取扱業、沿岸貨物海運業
  3. 定期船
    • 外航貨物海運業、船舶貸渡行、運送代理店業、コンテナターミナル業、港湾運送業、曳船業
  4. 航空運送
    • 航空運送業
  5. その他
    • 不動産の賃貸・管理・販売、客船事業、燃料油販売、化学製品製造販売事業 など
Memo

・物流と航空運送事業は増加傾向
・海運は新型コロナウィルス感染症拡大の影響で取扱量が減少し売上は減少

・航空運送事業は前年比約62%増加、
 主力である海運業(定期船事業、不定期専用船事業)は前年比約15~17%減少

業績推移 (利益を稼ぐ能力)

Memo

・売上は15/3期から21/3期まで減少傾向
 22/3期は運賃水準上昇、取扱量増加などを見込み15%の増加予想
・営業利益は19.3期で底打ちし回復傾向
営業利益率は19.3期以降の改善が顕著、直近はコンテナ船運賃急騰などを背景に急改善

配当方針 及び 配当推移

有価証券報告書「配当政策」抜粋  (21/3月期)

・ 安定的な利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけ
連結配当性向25%を目安とし、業績の見通し等を総合的に勘案
・ 業績の変動に左右されない最低限の配当(当面 1株当たり年間20円)を継続することを基本とする

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数
Memo

連結配当性向25%が目安、業績と連動した配当制度
最低一定額(20円)の配当を継続することを明記
・一株配当金は直近5倍、3.5倍と急増しているが、EPSも同様に急伸しており、
 配当性向は会社の方針通り25%前後となっている

ジンベエ
ジンベエ

直近の高配当は好業績に支えられた、根拠がしっかりした配当
21/3、22/3期の好業績が今後も続くと仮定すると当期と同程度の配当は期待できると思います
一方、18/3期以前のように業績が低迷した場合は配当金も20円程度にまで減少するリスクがあります
ビジネスモデル上、船舶や飛行機など数百億円/機になる投資が必要です
その点から、配当性向25%程度という水準は妥当と考えます

安全性 (資金がショートしないこと)

Memo

自己資本比率30%程度、現金残高1000億円程度(売上1か月程度)と安定的
・船舶保有など固定資産割合の高いビジネスのため、
 30%程度の適度な自己資本と借入金、社債などの外部資本を活用した経営は効率的と考えられる

営業CF推移 (Cashを稼ぐ能力)

営業CF配当還元率=配当支払い額÷営業CF
Memo

・不採算船の整理などを行っていた17/3~19/3期を除き、緩やかに右肩上がり
直近は売上が減少しているものの、営業CFは増加している
・営業CFに占める配当支払い額も4~10%程度と安定している

その他 (本銘柄固有のあれこれ)

日本は四方を海に囲まれているため、輸出入に海運、空運は必須です
船と飛行機では1度に積み込むことができる物量に大きな差があるため、重量ベースで考えるとほほ100%が海上輸送です
空運はコストが高いため基本的には、軽量かつ即時性の高いモノのみに使用されます

海運はほぼ100%国際取引であるため、世界市況の影響を大いにうけます
国際的な物量(需要)に対する船の数(供給)で運賃が決定しますから、
17/3期のように過剰供給となると業績が悪化し、21/3期のように不足すると好業績となります

一方で大型船舶は建造に数年の月日を要し、進水後は10年~20年使い続けます
よって、数年後ないし10年先の国際的な物量と船の数という需給を予想する能力が経営に求められます

なお、船の世界にも自動運転技術の導入が進んでおり、
国土交通省が公表している「自動運航船の実用化に向けたロードマップ」によると、自動運航船の実用化目標は2025年に定められています

日本郵船も「無人運航船の実証実験にかかる技術開発プログラム」など、2025年までの本格的な無人運航船の実用化に向けた取り組みを行っていました

株主構成については日本カストディ銀行などの信託銀行を除くと筆頭株主は三菱重工業(約2.5%)でした
特定の株主の影響力を気にする必要はなさそうです

まとめ

まとめ

・直近、売上が減少しているものの運賃上昇などをうけ、営業利益は改善
・22/3期は取扱量も増加に転じ売上15%増加を予想
・連結配当性向25%程度を目安とした業績に連動した配当制度
・今後も同業績であれば配当は維持されると予想するも、
 長期的な世界市況に左右される業界のため、安定的に成長する難易度は高いと思われる
・これから主流になるであろう自動運航船市場での活躍が期待される

増配は確かな好業績に支えられています
一方、長期的な世界市況に影響される業界のため毎期安定した利益、成長を求めることは難しいと考えます

日本は島国のため海運なくして経済は成り立たないと思います
世界に先駆けた自動運航船の導入などを行い、短期的な浮き沈みがありながらも10年サイクルで成長してくれる銘柄になってほしいと思います

ジンベエ
ジンベエ

高配当は短期的(2~5年程度)と予想、減配後の株価が安い時期に仕込み、
21/3~22/3期のような超高配当をボーナス感覚で享受する付き合い方をしたいなと思います
よって、2021年9月時点は保有を見送りました
投資は自己責任・自己判断でお願いします

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