6815 ユニデンホールディングス(株)

チェック銘柄
ジンベエ
ジンベエ

21年10月13日に大幅な増配を発表したことで高配当銘柄となりました
調べてみると過去に不適切な会計処理を行っていたりと奥深い会社です

  時 点    株 価    1株配当   配当利回り 
21年11月8日3,275円210.00円6.41%

セグメント別の事業概要

  1. エレクトロニクス 事業
    • 主に無線通信・応用機器、デジタル家電機器、電話関連機器の製造・販売
      無線や車載カメラなど幅広い製品群を展開、海上無線やスキャナーなども手掛ける
  2. 不動産 事業
    • 不動産売買及び賃貸事業を展開
      東京都内を中心に、事業用物件・投資用物件・居住用物件などを手掛ける
Memo

・エレクトロニクス事業の低迷を不動産事業がカバー

業績推移 (利益を稼ぐ能力)

Memo

売上は右肩下がり
・不動産事業の立ち上げにより16年3月期に底打ちし回復していたものの、20年3月期以降減少
・不動産事業を営んでいる連結子会社が持分法適用会社に移行する影響で22年3月期は大幅減少予想
営業利益率は10%弱と低位安定

[連結子会社]と[持分法適用会社]
連結子会社
 対象会社の株式を50%超保有しているなど実質的に支配していると考えらえる会社については、その会社の業績を(連結会社間の取引などを調整したうえで)も丸々合算します
 親会社業績 + 連結子会社業績 ± 連結間取引など = 連結業績

持分法適用会社
 対象会社の株式を50%は持っていないが20%以上もっているなど意思決定に重要な影響を与えることができると考えられる会社については、その会社の業績を(持分法会社間の取引などを調整したうえで)株式持分に応じた分だけ合算します
  親会社業績 + (持分法適用会社業績 ± 持分法会社間取引など)×持分割合 = 連結業績

配当方針 及び 配当推移

有価証券報告書「配当政策」抜粋 (21/3月期)

・安定的かつ業績に応じた配当を実施することを基本方針
・2021年度以降においては、連結配当性向33%程度を目安として配当を行う
・ 2022年度から2024年度においては、業績にかかわらず安定的な配当を実施、株主資本配当率(DOE)2%を配当の下限水準とする
・ 2025年度以降についても、当社の成長戦略等を踏まえ、同様の下限水準の設定を検討してまいります

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数
Memo

・直近10年間で3回無配
・21年3月期は利益拡大とともに配当金も急増、22年3月期は配当維持予定ではあるが配当性向は190%
・22年3月期の配当予想は目標とする連結配当性向33%を大きく上回っている

ジンベエ
ジンベエ

21年3月期のEPSのうち約80%はユニデン銀座ビルの土地建物を売却したことによる一時的な利益増加による影響でした
22年3月期は配当維持予想としているものの、目標である連結配当性向33%を大きく上回るばかりか配当性向190%と1年で稼いだ利益以上を配当する水準であり、健全ではないなーとの印象です

安全性 (資金がショートしないこと)

Memo

・手元現金は80億円前後で安定
・21年3月期は固定資産売却の影響で手元現金が急増
自己資本比率は70%以上と高水準をキープ

ジンベエ
ジンベエ

20年3月期から21年3月期の手元現金の増加のうち79億円が固定資産売却による収入でした
21年3月期の配当総額は12億円程度のため、同水準の配当を数年分行うだけのCashは確保できているともとれます

営業CF推移 (Cashを稼ぐ能力)

営業CF配当還元率=配当支払い額÷営業CF
Memo

営業CFはむらがあり、直近9期で4度マイナスとなっている
・無配実績も複数回あることから突然無配となるリスクは相当程度あると考えらえる

その他 (本銘柄固有のあれこれ)

ユニデンホールディングスは、
2006年3月期の売上は857億円ありましたが減少が続き、2016年3月期には129億円まで減少しました
その後、増加に転じたものの、2022年3月期には 不動産事業を営んでいる連結子会社が持分法適用会社に移行する影響 もあり109億円予測となっています

従業員数も2万人を超えていましたが21年3月期末時点では800人程度まで減少しています

また、2018年~2019年にかけて海外子会社で不適切な会計処理を行っていたり、当時の会長報酬は2億円であったりと中々奥深い会社です。
※トヨタやソフトバンクのように正しくめちゃめちゃ儲かっている会社の役員の方々が億単位の報酬をもらうのは当然と思っています

不適切会計などが原因か、2019年以降は毎年、代表取締役社長も変わっています

まとめ

まとめ

・主力のエレクトロニクス事業の業績は減少傾向
・売上全体でも連結区分の変更等により22年3月期は大幅減少予想
・営業利益率は10%程度で低位安定
・22年3月期の配当性向は190%と不健全な水準
・手元現金、自己資本比率はともに高水準
・営業CFは直近9期で4度マイナスと不安定
・過去不適切会計あり
・2019年以降、毎年代表取締役が交代している

2006年以降、売上や従業員などが急減していることに加え、不適切な会計処理などもあり、会社として収益を獲得する力や資源がどの程度残っているか疑問

手元資金は潤沢で高配当を数年維持できるだけの資金は保有しているものの、当期利益が源泉ではない配当は持続不可能な配当水準であることより、長期保有を前提とする投資家にはおすすめではない銘柄と考えます

ジンベエ
ジンベエ

財務会計を仕事にしていることもあり、不適切な会計処理を行う企業は愛せません
個人的な経験では不適切な会計処理を行う会社は他にも色々と問題を抱えていることも多いです
個人の性格が中々変わらないように、企業の社風も中々変わらないことに加え、
風評被害や人材流出などが重なるため再建はとても大変です
4%を超える高配当銘柄は日本に300以上あります
あえて本銘柄を選ぶ理由がないため、購入は見送りとしました

投資は自己責任・自己判断でお願いします

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